元祖不思議さん。河野多惠子という作家。

テーマ:未分類

文章はひどく平易である。難解難文では全くない。しかし、一度目は何だか何が書いてあるのか、これで終わりなのか、わからない、という気になる。だが、妙なのだ。いつまでも、心にひっかかる、忘れられない小説の五本指に値する。わたくしの中では。
河野多惠子さんが亡くなった。昨日の報道です。こうのた、まで検索しても今時河野多惠子は出てこない。
だから、死亡記事を貼り付けます。

断っておくが、あたしはこの人の熱心な読み手では、全くない。読んだ作品はただの二つ。
「半所有者」と「後日の話」
あたまりのすばらしさにショックなど受けていない。しかし、妙なのである。
いつまでも心にひっかかる。
そして、この平易な文章を、誰かが書けるかと問えば、誰にも書けない。
稀有な才能、この人こそ、元祖不思議さんであります。
はっきり申し上げて、ご覧の通り、田辺聖子か河野多惠子か、というぐらいの器量ではありますが鬼籍に入られたばかりでまだあちらの住人になられてなかったら、怒ってこられてはいけないので、今日はここまで。
いやあ、すごいんだから、河野多惠子。

(null)