本日の珍患さん

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「ねぶたしとおもひてふしたるに、蚊のほそごゑにわびしげに名のりて、顔のほどにとびありく。羽風さへその身のほどにあるこそいとにくけれ。」
耳元で蚊がウーンと唸る五月蝿さを清少納言が書くと「細声に侘しげに名乗りて」とまことに風雅にも聞こえます。が、いと憎けれ!と一蹴。
蚊が五月蝿い〈うるさい〉と今自分で書いて気がつきました。うるさいのは五月の蝿!?

しかし、耳元で五月蝿いのは蚊や蝿だけではなさそうです。

本日の珍患さん。

耳の中に虫が入ってると思いますねん。ゴソゴソ五月蝿いですねん。

こんなことを言う方の大半は鼓膜近くにご自分の耳アカがくっついてゴソゴソ音が鳴っている、という状態なのです。

が、耳の穴をのぞきますと、

なんかある。

でも耳アカと同じような色だし〜。

なんかいる!

もしや、もしや、

これはあたしがこの世で一番きらいな、

ガ⁉️

これぞ清水の舞台から飛び降りるつもりで、いやスカイダイビングの決心で、えいっとつまみ出す。

゛ついてるだけでカとは異なるガ。

細声に侘しげに名乗るどころか、

太声に厚かましげに割り込んできたコイツも入る穴をまちがってかなりジタバタしたにちがいない。

全身渾身献身のオシゴトでした。