あのころは、若いということにあまりに忙しすぎた

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久世光彦さんの「向田邦子との二十年」

を前回紹介しましたが、その70ページに、

なんとも今の自分をかくも端的にかくも滑らかに綴っている一文に出会いました。

《あのころは、若いということにあまりに忙しすぎた。》

持て余した「ヒマ」さえ忙しい時間だったのです。

と思ったら、久世さん、ちゃんと書いてくれてる。

《無為に過ごすことも含めて、時間がいくらあっても足りなかった》

しかも、久世光彦さんは美学科。(ワォッ!あたしと同じやん!でもあちらは東大でしたぁ)「西洋美術史」「ラファエル前派の運動」などが飛び出し、幸い自分はまだ老眼鏡の世話にはならずとも本を読めますが、今の心境に鋳型のようにはまるのです。あたしのつまらぬ前置きよりも、直に読んで下さいませね。

 

さて、残された人生時間で、自分の空洞をどれだけ埋められるか。

《少なくとも知的に生きようとするとき、人生は倍の時間が要る》